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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2013.10.16

電子カルテシステムを薬剤師がいかに活用するか
薬剤と情報システム研究会が仙台で開催


 日本医療薬学会年会前日の9月20日(金)に,薬剤と情報システム研究会による第2回研究会(共催・薬剤師・医療情報技師会)が,東北大学病院医学部臨床講義棟で開催されました。

電子カルテシステムの活用と課題で講演

 東北大学病院薬剤部・飯田優太郞氏が座長を務めた講演では,電子カルテシステムに関連する2題の発表が行われました。

処方箋に検査値データ表示機能を搭載

 講演1では,加古川東市民病院薬剤部の鶴田洋平氏が,同院の電子カルテ新規導入を機に,処方せんに自動的に1回量の併記と検査値(院内のみ対応)記載を行っていることを紹介しました。


●鶴田洋平氏


 通常1日量を表示している院内外処方箋に,1回量も併記するようにしたもので,2010年に厚生労働省より示された内服薬処方箋の記載方法にも対応。
 検査値の記載は現在院内処方箋のみですが,患者病態に基づいた処方箋監査を目的に行っています。検査値に関連する疑義照会が活発に行われ,各薬剤師も臨床検査値を学ぶようになったそうです。

システムの不具合にどう対応するか

 名古屋第二赤十字病院薬剤部の木下元一氏は,オーダリングシステムから電子カルテへの変更などの環境変化に対応してきたなかで,薬剤部としての反省点,今後の薬剤部門システムについての期待などを述べました。


●木下元一氏


 木下氏は,オーダリングシステム時代に,調剤内規をそのままシステム化しようとしたのは得策ではなかったと反省し,システムを利用する薬剤師自身が,システムの限界を知るべきであると強調しました。
 その観点から,薬剤師のICTリテラシー向上のために木下氏が作成した電子システムに関する院内のe-ラーニングシステムが,若い薬剤師を中心に好評を博したことも紹介しました。

標準化とカスタマイズの一長一短で総合討論

 講演を受けた総合討論では,院内のルールに沿った電子カルテシステムなどのカスタマイズの是非について議論が進められました。
 議論のなかでは,「現在も部門システムはカスタマイズしやすいが,あまりしすぎると,標準からかけ離れ最後に困るのは薬剤師自身」といった意見や,「電子カルテではカスタマイズに対応できない社もあるため,仕様の標準化について多施設で意見交換していくのがよいのではないか」といった意見が聞かれました。
 一方で「ベンダー各社はさまざまな薬剤部の意見を吸い上げ,標準装備化を検討しているが,一部からは“医師の要望に合わせてほしい”という要望もあり,それは病院側の問題点ではないかと感じる」との意見も寄せられました。

来年も医療薬学会の前夜に開催予定

 昨年から日本医療薬学会の前夜に開催されてきた同研究会は,次回も来年の日本医療薬学会年会前夜に開催予定です。
(NT)

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