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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2014.02.28

調剤報酬改定は厳しい流れの始まり 保険薬局経営者連合会総会

 保険薬局経営者連合会(山村真一会長)の第4回総会が2月16日,都内ホテルで開催されました。総会に先立ち開かれた記者会見で山村会長は,今回の調剤報酬改定の内容について,「2008年のマイナス改定以上のターニングポイント。厳しい流れの始まり」と評価しました。基準調剤加算算定要件の見直しなどをはじめとする調剤報酬改定は,小規模の薬局経営者が中心の同会(会員91法人,280薬局)に厳しい内容と受け止められています。一方で山村会長は「点数に左右される業務でなく,国民の目から見て期待される業務を粛々と行うのが国家資格を持つ者の使命」とも述べ,国に寄与する薬局という同会の理念をさらに推し進める意向を示しました。

日本アプライドセラピューティクス学会との共同研究を開始

 また,山村会長は長期投薬患者に対する薬剤師の介入が,予後にどのような影響を与えるかを調べるコホート研究を,日本アプライドセラピューティクス学会(緒方宏泰会長)と共同で進めていることを明らかにしました。同会会員薬局で患者登録し,長期間フォローアップしてアウトカムを評価する内容で,現在神奈川や埼玉など4薬局でパイロット的に患者リクルートを進めているそうです。

「薬研」への理解と協力を求める

 同会副会長の田代健氏が代表取締役・所長を務める「薬事政策研究所」(薬研)が昨年発足し,初めての総会を迎えることから,山村会長,田代副会長とも同研究所の設立の意義などを会員に理解を求め,出資を募りたいとしています。
 山村会長は今回の調剤報酬改定など薬局を取り巻く環境悪化のなかで「昨年秋の誕生はタイムリーだった。薬経連と薬研の関係を理解していただき,貢献をスピードアップしていきたい」と述べました。
 田代所長は「薬局数では2014年がピーク,一部ではピークを越えたとの見方があるが,どういう薬局が生き残るべきか。収益性だけでは問題であり,薬局のあるべき論を模索し,新しい薬局像を提示していきたい」と述べ,当面はマンスリーレポートを通じた情報発信に努める姿勢を示しました。レポートは,同研究所への出資(薬経連非会員・52万5,000円/年)により送られます。

調剤報酬のハードルが上がることで医薬分業を元に戻せなくする

 同会の総会では,日本薬剤師会の三浦洋嗣氏副会長(中央社会保険医療協議会委員)が今回の調剤報酬改定について解説し,「(消費税転嫁分を除く)本体は実質マイナスとなり残念だったが,(改定率の比率は)1:1:0.3が堅持され,納得できるもの」と評価しました。また,「今回の調剤報酬改定では少しずつハードルが上がっているが,薬局の仕事のハードルを上げて,医薬分業を元に戻せなくすること」と述べ,薬局薬剤師の業務レベルを上げれば,院内処方に戻せなくなるとの見方も示しました。


●三浦洋嗣氏


 その他,個別項目については以下のようにコメントしています。

基準調剤加算

 手を挙げただけで取れることを見直すべきといわれ,実績がないと算定できないよう厳しくなったことは理解してほしい。算定要件は3月上旬に通知が出されるが,その際には厚生労働科学研究の内容がちりばめられることが予想される。

訪問薬剤管理指導料の1日あたり算定件数の上限(薬剤師1人につき5件/日)

 1件の薬局で(多くの患者を)囲い込むのはおかしいと言っている。皆でできる仕組み作り(の意図)が含まれていると考えられる。今回の上限は医療保険だけで,介護保険は来年議論される。調剤だけ厳しいといわれるが,施設系在宅については医科も歯科もシバリが厳しくなっており,皆同じく厳しい。
 訪問薬剤管理指導の実施件数が少ないという批判もあったが,少ないのは医療保険分であり,介護保険分は伸びていると説明している。

地域包括診療料(診療報酬)

 最初はすべて院内処方という内容だったが,次の議論では「等」の文字が入った。医薬分業の方向性を変えるものではない,と医療課は説明している。

お薬手帳不要の薬歴管理指導料の設定

 「何も説明せずにシールだけ薬袋に入っていて,薬歴管理指導料が取られている」と調剤報酬に詳しい人から実名で指摘があった。シールだけなら0点だよね,という議論になったが,それでは41点か0点かということになってしまう(ので手帳なしの点数を設定した)。これからの2年間で国民に手帳の必要性を積極的に伝えていかなければいけない。まず薬剤師自身がお薬手帳を持たなければいけない。

長期投薬患者に対する分割調剤と残薬確認(盛り込まれず)

 医師会はそもそも長期投薬が問題というスタンス。また,仕組み作りが必要なため時間切れとなった。
(MK)

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