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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2012.01.16

こんな『初収載ジェネリックガイド』の読み方はどうでしょう

 『月刊薬事』,『調剤と情報』には,年2回のジェネリック医薬品薬価収載に合わせ,『初収載ジェネリックガイド』という付録がついてきます。今日はそのちょっと面白い読み方をご紹介します。

生物学的同等性試験のデータをよく見ると

 ジェネリックガイドには生物学的同等性試験の結果が,グラフとパラメータで示されています。この付録を始めたときには「標準品(先発医薬品)と同等でなければ承認されないのだから,標準品と比較した試験の結果を載せても意味がないんじゃないの」と,正直思っていたのですが,ないと見た目的に寂しいこともあって,掲載することにしました。
 最初はそんな不純な動機で掲載していたのですが,この生物学的同等性試験のデータを製品間で見比べるうちに,気づくことがありました。
 「製造販売元が違っても,パラメータが同じ製品がいくつもある」

同じ試験結果だから同じパラメータなんです

 そうなんです。製造販売元が違っていても製造元が同じ場合には,同じ試験結果を用いますからデータが同じになるんですね。つまり製造販売承認はいくつものメーカーが取得していますが,その製品を製造しているのはもっと少数の製造元で,いわゆるOEMを行っているということなんです。自社では製造販売承認をとらずに,製造に特化しているケースもあるでしょう。

細かい違いがあることも

 しかし,同じパラメータなのに,各社で小数点以下のケタ数が違ったり,グラフの縦軸,横軸の目盛りが違っていたりして,異なるものに見えたりします。
 そういった細かい違いを見極めながら,「あ,これ一緒」と見比べるのも楽しいものです(楽しい?)。

選択肢が増えるのはいいことだとは思うのですが……

 ということで,ジェネリックメーカー各社は,OEMの手法を用いて,自社製品ラインアップの充実を図っているのですが,医薬品を使用する現場からは「たくさん製品がありすぎて選ぶのに一苦労」という声も聞こえてきます。
 2011年11月の収載ではアリセプト(一般名・ドネペジル)がそうだったように,大型製品のジェネリック品は一度に何十品目も発売になります。
 現場の薬剤師さんもたいへんだったと思いますが,ジェネリックガイドの編集担当者もたいへんでした(笑)。品目が増えるとページ数が増えるので,編集作業の苦労だけでなく制作経費も……。
 ジェネリック各社が競いあって,現場の選択肢が増えるのはいいことだと思いますが,品目増という副作用もあるということですね。

製造元もオープンにしては?

 現場でジェネリック製品を選ぶのに苦労する薬剤師さんを少しでも助けたい,というのがジェネリックガイドを監修する有山良一先生のご主旨。そこで,生物学的同等性試験のパラメータを見比べて製造元ごとにグループ分けして,グループ間で比較するという使い方をご提案できれば,という今回のお話でしたが,よくよく考えれば,製造元をジェネリックメーカーが公開していれば,パラメータを見比べる手間も省けるわけです。
 ジェネリックガイドを作成する際の,ジェネリックメーカー各社へのアンケートには,製造元についてもご記入いただく欄があります。メーカー各社のご担当の皆様,この欄をご活用いただければ,薬剤師さんのご苦労も少し軽減されると思いますが,いかがでしょうか。(MK)

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