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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2013.07.23

褥瘡治療に活かす薬剤師の視点

 第15回日本褥瘡学会学術集会が7月19,20の両日,神戸国際展示場などで開催され,薬剤師では国立長寿医療研究センター臨床研究推進部の古田勝経氏が4つのセッションで演者を務めました。


●会場となった神戸国際展示場

●創環境に応じた薬剤選択を

 初日午後の教育講演「薬剤をこう使えば早く治る~薬の効く創環境」で古田氏は,外用剤を用いた褥瘡治療では,創の状態を見極め,それぞれの創環境に適した薬剤を選択することが求められると強調しました。
 古田氏は冒頭,自施設の褥瘡患者が,栄養状態が決して良くないにもかかわらず短期間で改善していることをデータで紹介。「栄養状態が悪いから褥瘡が治らない」という考え方を強く否定し,適切な薬物治療が行われれば褥瘡は良くなると主張しました。
 具体的には,褥瘡に使用する外用剤は,①壊死組織の性質,②創の湿潤環境,③皮膚のたるみによる圧迫・ずれがもたらす創の変形――などを念頭において選択すべきと指摘。壊死組織除去のための使用薬剤は滲出液の量によって異なるなどと説明し,創を読み取る必要性を強調しました。また,創が骨上や骨縁にある場合は,形状の変形により治りにくくなるため,創を開いてテーピングで固定するなどの対策が有効と語りました。


●古田勝経氏

●基剤の異なるジェネリック医薬品に注意

 さらに,外用剤の薬効を十分に発揮するためには創面の適正な水分量を保つ必要があると述べ,患者のガーゼ交換時には創面の湿潤環境をチェックするよう求めました。また,それに関連して,外用剤選択時には吸水性か補水性かが重要な判断材料になることから,薬効成分のみならず基剤にも着目すべきと指摘。ジェネリック医薬品と先発医薬品で基剤が異なることがある点に注意を促しました。(NA)

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