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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2012.11.14

薬局店頭の精神保健ケアの取り組みを紹介――豪薬剤師会副会長が東京で講演


 10月30日に「薬剤師による軽医療マネジメントと地域におけるチーム医療推進のための講演会」(主催・東京都薬剤師会,上田薬剤師会)が東京・慶應義塾大学薬学部で開催されました。この講演会は厚生労働省の平成24年度薬剤師生涯教育推進事業の一環として行われたもので,オーストラリア薬剤師会副会長でシドニー大学薬学部専任講師のクレア・オレイリー氏が,豪州で行われているメンタルヘルスケアへの薬剤師の介入に向けた教育の実際やその成果について,自身の研究結果などをもとに紹介しました。

●クレア・オレイリー氏

地域薬局の薬剤師がメンタルヘルスの問題の発見役に

 豪州の薬局薬剤師にメンタルヘルスケアへの介入が求められる背景についてオレイリー氏は,プライマリケアのなかで精神疾患患者や向精神薬の処方が増加するなか,メンタルヘルスケアの必要な人への早期介入・早期治療を政府が重視していることを指摘。地域薬局の薬剤師がケアの必要な人と医療機関とをつなぐパートナーとして重要な役割を果たすことができるとしました。
 具体的には,薬局店頭でのメンタルヘルスの啓発活動や,身体疾患で処方箋を持ってきた患者を観察し,抑うつなどの兆候を発見する役割などを挙げ,「地域薬局には決まった患者が来るので,よく観察することで見つけ出すことができる」と語りました。

元患者が薬学生を教育することで偏見を取り除く

 一方で,薬剤師であっても精神疾患に対する偏見がみられることを問題視。偏見の有無は向精神薬の調剤経験とは無関係だったことから,精神疾患患者と接する機会をもつことが重要と判断。そこで同氏はシドニー大学の薬学生を対象に,元精神疾患患者を教育者として招き,経験談を話してもらうなどの教育プログラムを開発し,学生の段階から精神疾患に対する偏見を取り除く効果があったことを紹介しました。(MK)

●質疑に答えるオレイリー氏
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