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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2012.02.16

【Report】プロトコル作りにチャレンジ 第1回CDTMワークショップ


 2月12日,東京・市ヶ谷の日本大学桜門会館で,日本薬局管理学研究会主催による「CDTMワークショップ」が開催されました。CDTM(医師と薬剤師による共同薬物治療管理)は,比較的安定した患者を対象に,医師の診断に基づき,その後の薬物治療は薬剤師が予め作成されたプロトコルに沿って進めるという,米国で発展してきた治療管理の仕組み。今回のワークショップは,日本でCDTMを実施するイメージのもとに,必要なプロトコルを薬剤師の立場から作成してみるという内容で,薬局・病院薬剤師,薬学生,薬系大学の教員など40人あまりが参加しました。

禁煙指導,在宅糖尿病患者の管理をテーマに試行

 ワークショップの進行役は東京薬科大学薬学部教授の土橋朗氏,日本大学薬学部教授の亀井美和子氏,茨城県・フローラ薬局の篠原久仁子氏ら。米国のCDTMの概要を土橋氏が説明しました。
 土橋氏が指摘したのが,CDTMで管理中の患者について,「プロトコルによる管理」を続けるか「医師による管理」に戻すか鑑別する能力の重要性。さらに,プロトコルによる管理を遂行する薬剤師の資質をどう認定するかも重要なポイントに挙げました。

●最初にCDTMについてのレクチャー


症例解析とケアプラン作成でプロトコルの下地作り

 続いて,地域薬局での禁煙支援や在宅糖尿病患者の管理についての注意点を,模擬症例を用いて篠原氏が説明し,その後各症例について参加者がグループに分かれ,どんな可能性を考えどう対応するか,症例のアセスメントとそれに基づくケアプラン作成に取り組みました。
 土橋氏は糖尿病患者の管理について,「薬物治療中の患者の体調変化に,服薬の中止を指示することは実際に現場である。それを事前に文書にまとめておけば自信をもって行える」と述べ,現場ですでに行っていることの文書化により,現場の不安の解消につながる可能性も示しました。

●模擬症例についてアセスメント


●アセスメント内容を書き出し,ケアプランを検討する

プロトコル作りに初挑戦

 続いて,禁煙指導と在宅糖尿病患者の管理について,薬剤師が管理できるポイントを絞ってプロトコルを作ることに挑戦しました。
 禁煙支援のプロトコル作りに挑んだ2グループは,「禁煙薬物治療中の副作用モニタリング」と「禁煙支援全体を薬剤師が管理する」という2つのプロトコルを作成しました。
 在宅糖尿病患者へのプロトコル作りを行った3グループは,主に「薬物治療中の低血糖症状への対処」や「薬物投与量の変更などを伴う血糖値の管理」について,薬剤師がどのように関与するかを文書化しました。

●禁煙支援の内容を文書化

参加者の熱意は未来への期待感

 いずれも初めての取り組みだけあって,「できること」ではなく「やりたいこと」に先走りする感は否めず,プロトコルの裏づけに明確でないところもあったりという内容でした。
 しかし,参加者の熱意は強く,患者の薬物治療に薬剤師が主体的に関与していく未来像を求めて,予定時間を大幅に超過しながら議論が続けられました。(MK)

●討議にも熱が入る
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