ユーザー登録
ID・パスワードを忘れた方はこちら
ご利用について

MagPlus+


MagPlus+イメージ

MagPlus+

このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2013.01.02

薬剤師の在宅療養支援に必要なスキルを学ぶ―神戸薬科大学「薬剤師実践塾」

 神戸薬科大学で社会人を対象に教育研修を行う部門であるエクステンションセンターは今年度,「『在宅医療』を支援する指導薬剤師養成プログラム」を実施しています。2012年11月には,その一環として「初めての在宅訪問」をテーマにした体験型研修会を開催しました。
 この研修会では,在宅医療・介護の基礎知識として欠かせない,介護保険制度の知識を学んだほか,嚥下困難患者への対応策,飲み忘れ対策,高齢者の身体状況を理解したうえでの服薬支援などについて,参加者が体験や意見交換を通じて学んでいきました。

飲み忘れ・残薬管理

 飲み忘れ・残薬管理については,「お薬カレンダー」の有効活用をベースにSGD(少人数のグループ討議)が行われました。高齢者に多い飲み忘れ,飲み間違えを防ぐ手段としてお薬カレンダーが活用されています。高齢者介護にはヘルパーなど多職種が関与するため,高齢者自身だけでなく介護者にも理解しやすい,使用しやすいカレンダーの工夫などについて話し合われました。

●お薬カレンダーの活用などを討議

嚥下困難者への支援

 高齢者の嚥下困難は,加齢によるほか薬剤の影響による口渇が原因となったりします。嚥下困難の患者のために,介護者が薬局にとろみ剤を買いに来るケースなどを想定し,よりよいとろみ剤の選択や,患者状態のチェックなどをSGDで学んでいきます。

●とろみ剤の上手な使い方を話し合うほか,実際にとろみ剤を加えたお茶やお味噌汁の試飲も

高齢者の身体的特性を「体験」する

 高齢者はつまづきやすくなる,体が動かしにくくなる,色の識別が難しくなるなどの特性を持っています。研修会では高齢者の身体的特性を再現する補装具が用意され,参加者一人ひとりが模擬高齢者を体験しました。
 関節の動きを制限し,筋力の衰えから体が重く感じる状況をおもりを使って再現し,白内障の症状をゴーグルを使って再現しました。

●高齢者体験でつまづきやすさや動きにくさ,見えにくさを実感

最後は高齢者への服薬支援をロールプレイ

 一通りの体験と討論を踏まえ,最後は参加者が薬剤師,患者,介護者に分かれ,在宅での服薬支援を模擬体験するロールプレイを行いました。どういった話し方で患者の状態を聞き出すか,薬の飲み間違えを防ぐか,理解しやすい説明をするか,などについて体験。観衆からは,ロールプレイの内容について気づいた点が多数指摘されていました。


●在宅での服薬支援をロールプレイし,さらに知識とスキルを深める

●バイタルサインに基づく症例検討の研修も開催

 「薬剤師実践塾」はこの研修のほか,2012年10月には在宅医療を行ううえで薬剤師にも患者・介護者にも必要となるメンタルケアの研修を行い,今年1月にはバイタルサインに基づく症例検討なども予定しています(参加者募集は終了)。(MK)

会社案内
利用規約
お問い合わせ