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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2012.01.19

診療報酬と薬剤師の病棟業務

 1月18日に中央社会保険医療協議会(中医協)第215回総会が開かれ,2012年度診療報酬改定について厚生労働大臣より諮問を受けました。
 総会のもようについては『日刊薬業web』,『MediFax web』などのニュースをご覧いただくことにして(どちらも会員限定サイトです),ここでは公開された資料について簡単にご紹介したいと思います。

報酬改定の詳細に関する議論がスタート

 今回,中医協で示された資料は,諮問書のほか,社会保障審議会医療保険部会・医療部会が2011年12月にまとめた「平成24年度診療報酬改定の基本方針」,この基本方針に沿ってまとめた中医協の「平成24年度診療報酬改定に係る検討状況について(現時点の骨子)」(案)など。今後,これらをベースに議論が進められます。
 実際は,個々の点数やその算定要件まで中医協の場で議論されることはなく,医師会,歯科医師会,薬剤師会などの利害関係者と行政の担当者などが非公式の打ち合わせをしながら詳細を詰めていきますが,基本的な方針は先に挙げた資料の内容に沿っていくことになります。

チーム医療での病院薬剤師への期待は大きい

 資料にある「現時点の骨子」は大きく,重点課題が2項目,とその他の「視点」が4項目あげられています。
 重点課題の「1-4 病棟薬剤師や歯科等を含むチーム医療の促進について」では,病院薬剤師の病棟業務について取り上げられ,「⑥勤務医の負担軽減等の観点から,薬剤師が勤務医等の負担軽減等に資する業務を一定以上実施している場合に対する評価を行う」ことが示されました。重点課題としてこれまでの議論にあがり,ここで明記されているのですから,よほどの問題がないかぎり次回の診療報酬に何らかの点数がつくと考えていいでしょう。

医政局通知を報酬でも後押し

 今回の資料では,勤務医等の負担軽減に資する病院薬剤師の業務が何か,どのくらいすれば評価するのかは示されていませんが,これまでの中医協では,このテーマが資料をもとに議論されています。
 2011年12月7日の中医協総会資料で「薬剤師の病棟での業務について」(総-1-2)と題するまとめがあり,そこには2010年4月30日の医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」で示された「薬剤師を積極的に活用することが可能な業務」が触れられているほか,病棟での薬剤師の活動内容と時間の調査結果などが示されています。
 これまでの議論の流れを考えれば,医師の負担軽減に資する業務とは,医政局長通知で示された業務がベースになると考えられます。

「仕事の肩代わり」をスタートに

 最近,CDTM(医師と薬剤師の共同による薬物治療管理)が注目されています。医政局長通知に示された業務がCDTMだという誤解もあるようですが,通知で示された業務は,診療報酬改定の議論にも示されているように「医師の負担軽減」を目的としたものであって,まだ「忙しい医師の仕事の肩代わり」という視点が色濃いものです。
 ただ,ここを起点として,特定の患者に対する医師の役割と薬剤師の役割を明確にして,それぞれの専門性を活かした業務の連携という方向に進んでいくことも期待できます。その意味で,今回の診療報酬改定は今後の薬剤師の方向性を示す第一歩になるかもしれません。(MK)

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