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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2012.07.10

【Report】第12回DIコミュニケーションの会

 6月13日に東京・吉祥寺で「DIコミュニケーションの会」が開催されました。
 この会は東京多摩地区の病院DI担当薬剤師の交流を主目的としてスタートした有志の集まりで,現在は薬局薬剤師も多く参加し,年に2回程度の会合をもっています。
 この日は東日本大震災被災地の救援活動やその後の復興支援をテーマに講演などが行われました。

医療スタッフの後方支援で被災地に臨む

 大日本住友製薬の斉藤雄一郎氏は,同社が昨年4月に設置した「震災復興支援室」の室長として取り組んだ被災地の復興支援活動を紹介しました。
 斉藤氏によると,同社としての取り組みは医療支援を行う医療スタッフの後方支援を主眼に置き,社内から募ったボランティアを被災地に派遣し,医薬品在庫の整理やOTC医薬品の受発注管理などを行ってきました。
 また,化粧品メーカーと協力して避難所でのスキンケア講習会を行ったり,薬の勉強会を実施するなど被災者への支援にも取り組みました。

●斉藤雄一郎氏

医療支援で浮き彫りになった医薬品管理の課題

 東京大学医学部附属病院薬剤部の高山和郎氏は,被災地の医療支援に取り組むなかで感じたこととして,従来の救援医療のなかでの医薬品管理の常識が今回の大震災では通用しなかったことを挙げました。

●高山和郎氏


 これまでDMATによる救援医療では,医療チームが医薬品も含め自己完結できる体制で臨むことが常識でした。しかし今回の大震災では,DMATが主な対象とする救急医療の必要な患者は少なく,一方でDMATの備品では対応が不十分な慢性疾患患者へのケアが,比較的早期から必要になるなど,これまでの医療支援とは様相が異なっていたといいます。

●薬剤師の視点から医療支援の課題を紹介


 また,医薬品管理の面では各医療チームの「自己完結」が混乱を招く面もあったことを指摘しました。各チームの使用する医薬品が同じ疾患に対しても異なることが,患者の混乱を招いたり,チームが引き揚げる際に残った医薬品を置いていくことで,かえって在庫管理が煩雑になるなどの問題もあったといいます。
 支援医薬品を含む在庫の問題は時間が経ってもなかなか解決せず,医療供給体制を自前で復帰できる段階になっても,医薬品の処分に手間どるなどの問題が残っているそうです。
 高山氏は「できるだけ早い段階から薬剤師が現地にいって,(大量に届く支援医薬品などの)整理することが大事」と教訓を述べました。

●この会は薬剤師の交流に力を入れているそうです


 次回「DIコミュニケーションの会」は2013年2月の予定だそうです。(MK)

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