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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2012.01.27

病棟薬剤師の業務に対する評価の具体案が出ました

病棟薬剤業務実施加算

 今日,1月27日の中央社会保険医療協議会総会に,2012年度診療報酬改定の個別の点数の改定や新設の項目を示した「個別改定項目について(その1)」が事務局から提示されました。
 注目の,病院薬剤師が病棟で行う医師等の負担軽減に資する業務の評価についても,「病棟薬剤業務実施加算」という点数を新設する案が示されています。算定要件と施設基準は以下のとおりとなっています。


(以下,資料より抜粋)

5.薬剤師の病棟における業務に対する評価の新設

(1)勤務医の負担軽減等の観点から薬剤師が勤務医等の負担軽減等に資する業務を病棟で一定以上実施している場合に対する評価を新設する。

(新) 病棟薬剤業務実施加算 ○点(週1回)

[算定要件]
① すべての病棟に入院中の患者を対象とする。ただし、療養病棟又は精神病棟に入院している患者については、入院した日又は処方変更が行われた日から起算して4週を限度する。(注:原文ママ)
② 薬剤師が病棟において医療従事者の負担軽減及び薬物療法の質の向上に資する薬剤関連業務(以下「病棟薬剤業務」という。)を実施している場合に算定する。

※ 病棟薬剤業務として、以下を規定することとする。
・ 当該保険医療機関における医薬品の投薬・注射状況の把握
・ 当該保険医療機関で使用している医薬品の医薬品安全性情報等の把握及び周知並びに医療従事者からの相談応需
・ 入院時の持参薬の確認及び服薬計画の提案
・ 2種以上(注射薬及び内用薬を1種以上含む。)の薬剤を同時に投与する場合における投与前の相互作用の確認
・ 患者等に対するハイリスク薬等に係る投与前の詳細な説明
・ 薬剤の投与にあたり、流量又は投与量の計算等の実施
・ その他、必要に応じ、医政局通知で定める業務

[施設基準]
① 薬剤師が病棟において医療従事者の負担軽減及び薬物療法の質の向上に資する薬剤関連業務を実施するにあたって十分な時間を確保できる体制を有していること。
② 病棟ごとに専任の薬剤師を配置していること。
③ 医薬品情報の収集及び伝達を行うための専用施設を有していること。
④ 当該医療機関における医薬品の使用状況を把握するとともに、医薬品の安全性に係る重要な情報を把握した際に、速やかに必要な措置を講じる体制を有していること。
⑤ 病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制が整備されていること。
⑥ 薬剤管理指導料に係る届出を行った保険医療機関であること。

※ 十分な時間として1病棟・1週当たり20時間を規定する予定

(2)病棟薬剤業務実施加算の新設に伴い、実施業務が重複する薬剤管理指導料における医薬品安全性情報等管理体制加算は廃止する。

医政局通知で定める業務?

 算定要件のなかに「その他、必要に応じ、医政局通知で定める業務」とあります。
 新たに「こういうことをすれば加算の対象になりますよ」と通知するのか,2010年4月30日に出された医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(医政発0430第1号)を読み込むのか,現時点では不明です。
 2010年の医政局長通知は表現が漠然としたところもあるので,現場が混乱しないよう具体化する通知が新たに出るかもしれません。ただ,通常は算定要件などに関する通知は保険局から出ますので,医政局通知で細々と定めるのは違和感があります。

薬剤管理指導料はどうなるか

 (2)の表現をみると,「医薬品安全性情報等管理体制加算」に業務内容や施設基準を追加して,「薬剤管理指導料」の加算というかたちで設けられるようです。
 また,1週20時間は病棟に薬剤師がいて仕事をしていれば加算,ということですね。午前は調剤室で仕事をして,午後は病棟活動という薬剤師さんも多いので,実態に合わせたものといえそうです。
 この加算の新設に伴って,薬剤管理指導料の点数に変更があるのかどうかは,現時点では不明です。自分で取材せず資料だけで書いていると,このへんがもどかしい。
 取り急ぎ一報でした。(MK)

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