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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2013.05.22

薬局店頭での新たな取り組みをワークショップで体験
日本プライマリ・ケア連合学会学術大会

 第4回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会が5月18,19日,宮城県の仙台国際センターで開催されました。今回は医師対象の企画が多いなか,薬局の新たな役割を模索するワークショップでは,薬剤師による活発な議論が繰り広げられました。

●会場の仙台国際センター

糖尿病の早期発見で医薬連携の仕組みづくりを

 ワークショップ「糖尿病診断アクセス革命~より早い発見のために~」では,東京都足立区と徳島県で展開されているプロジェクト「糖尿病診断アクセス革命」について,代表の矢作直也氏(筑波大学大学院内分泌代謝・糖尿病内科)が解説しました。同プロジェクトは,薬局店頭でHbA1cの自己測定を無料で実施し,糖尿病の潜在患者を掘り起こすのがねらい。薬局の可能性を広げる取り組みとして注目されています。

【関連記事】「糖尿病診断アクセス革命」@徳島!


 矢作氏は,足立区と徳島で測定を受けた2,000人以上のうち約30%でHbA1c値が糖尿病の予備群以上に該当するというデータを紹介。国民健康保険の特定健診では同じく5%未満にとどまることから,プロジェクトによる潜在患者スクリーニングの有効性を指摘しました。

スクリーニングの医薬連携システムを海外にも

 また,薬局を活用するメリットとして,医療機関よりも気軽に検査を受けられることやコストの低さなどのほか,新規市場開拓による産業振興を挙げました。検査機器などの市場が広がるのみならず,例えば,日本のモデルを海外で同様に展開するのも可能だろうとの認識を示しました。
 一方で,「きちんとした医薬連携の仕組みを作ろうというのがコンセプト」と語り,薬局と医療機関との役割分担を明確にすべきと強調。「受診後のフォローアップは医療機関で行い,薬局が行うのはスクリーニングのみ。検査の取りあいになるのは問題だ」と注意を促しました。

●ワークショップ参加者は血糖自己測定も体験

栄養士による専門的な指導を薬局で

 ワークショップ「新たな薬局の役割を考える―調剤薬局と栄養ケアステーションのコラボレーション」では,栄養士による薬局での栄養指導をテーマにレクチャーとスモールグループディスカッション(SGD)が行われ,職種間で意見が交わされました。
 レクチャーは医師・薬剤師・栄養士それぞれが行い,薬剤師の立場からは,さいわい薬局の園田光子氏が,同薬局で試みた栄養士による栄養相談の実際を紹介しました。東京都栄養士会のモデル事業として実施したものですが,いざ始めてみると,店頭で来局者に案内しても困った顔をされることが多く,希望者は少なかったとのこと。園田氏は栄養相談について,「カロリーの計算が難しい」などネガティブなイメージがもたれているのではないかと語りましたが,一方,栄養相談を受けた人では生活改善の意識が高まるなど,効果がみられたそうです。
 SGDは5,6人ずつ3グループに分かれて行われました。「薬剤師と栄養士のコラボレーションには,双方の得意分野を活かすことが必要」,「そのためには互いに何ができるのかわかりあう必要がある」といった声が上がったほか,「薬局で栄養士を常勤で雇うには医療事務との兼務が考えられる」など,コストを意識した意見も出されました。(NA)

●ワークショップのようす
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