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このコーナーはMagPlusや雑誌の編集を担当するメンバーによるブログ。誌面だけでは伝えきれない話題をお届けします。

2012.02.01

次期診療報酬改定のパブリックコメントが公表されました

 2月1日の中央社会保険医療協議会第220回総会で,2012年度診療報酬・調剤報酬改定の「骨子」に関するパブリックコメントが報告されました。


 ここでは病棟薬剤師業務や後発医薬品の使用促進,調剤報酬に関するコメントを紹介します。
(以下,資料より抜粋)

病棟薬剤師の業務に関するコメント

1-4 病棟薬剤師や歯科等を含むチーム医療の促進について

 ○勤務医等の負担軽減に資する薬剤師業務の評価について
・ 病棟薬剤師の業務を評価する診療報酬の新設は大いに評価。勤務医の負担軽減のみならず、医療安全が推進されることなどメリットは計り知れない。
・ 病棟における薬剤師の業務については、現状では、施設ごとに異なっており統一性は見受けられないが、その業務は診療サイドから高い評価と信頼を寄せられている。各施設における業務内容と水準の把握に努め、単に員数あるいは時間から点数を設定することなく、実態に即した点数を設定することを望む。

後発医薬品に関するコメント

Ⅳ-1 後発医薬品の使用促進について

・ 現在、後発医薬品の使用推進を妨げているのは、処方せんのブランド名記載によるもの。これを、一般名処方を推進し、さらには、薬剤学を正規に学んだ薬剤師にその剤形を任せるという形にすることが有効。
・ 一般名処方を行った場合の処方せん料の算定においては、「薬剤料における所定単位当たりの薬価」の計算は、「当該規格のうち最も薬価が低いものを用いて計算することとする。」とあるが、医療費増加の懸念がある。
・ 後発医薬品の一般名処方の推進など、安全性確保の上からも問題がある後発医薬品処方への強引な誘導策は撤回するべき。後発医薬品が先発医薬品と同じ成分であっても、効能・効果が異なる場合があることや、有効性と安全性が先発医薬品と全く同等であることの保証がないことなどの問題がある。
・ 一般名処方の推進のためには、システム的な維持管理等の対応に関して、診療報酬上の評価も行うべき。
・ 後発品の使用促進を進める前に、先発品の特許切れの時点で大幅に薬価(後発品並み)を下げるべき。これで製品の質と量が確保でき、かつ医療費の中の薬剤費が低下し、医療費全体の低下も図れる。
・ 後発薬使用促進を受けて採用率20または30%に向けて評価し軽重をつけるとのことであるが、採用率のハードルが高いので高い評価とすべき。

調剤報酬に関するコメント

Ⅲ-6 調剤報酬について

・ 基準調剤加算の施設基準については、算定要件である備蓄医薬品数は実態等を踏まえた品目数とするべき。また、特定の医療機関の開業時間等に応じた開局時間を設定している薬局は算定要件を満たさないこととするよう見直しを行うことについてガイドラインを示すべき。
・ 病院薬剤師の技術フィーと薬局薬剤師の技術フィーを、薬剤師に対する技術フィーとして調剤点数表に一本化し、技術フィーの格差を是正すべき。
・ 薬剤服用歴管理指導料と薬剤情報提供料を包括的な評価とする場合には、お薬手帳を持参しなかった患者においても、シール等を交付し、次回来局時に当該シールがお薬手帳へ貼付されていることを確認することにより算定できるようにすべき。
・ 長期処方されている場合でも、薬局においては調剤が可能な日数を30日分制限とし、薬局において服薬状況を確認し残薬に応じた投薬日数を調整できるようにすべき。
・ 特定薬剤管理指導加算の算定要件について、対象となる医薬品が複数処方されている場合において、すべての医薬品ではなく、指導が必要な医薬品について薬学的な管理及び指導を行った場合に算定できるようにすべき。
・ 自家製剤加算および計量混合調剤加算における特別の乳幼児用製剤の算定要件は理解しにくいため廃止し、乳幼児の薬剤服用歴管理指導料への加算の点数とすべき。
(抜粋ここまで)

薬剤師の技術料一本化を求める声も

 パブリックコメントといっても利害関係のある団体・個人からのコメントが多いのでしょうが,いろいろ参考になります。
 お薬手帳を持参しない患者にはシールを渡せば薬歴指導管理料の算定を可能に,という意見はありますが,「お薬手帳はいらない」と意思表示されたときにも薬歴管理指導料を算定できるように,という意見はなかったのでしょうか。
 病院薬剤師と薬局薬剤師の技術料一本化を求めるコメントもあります。病院薬剤師側からの意見かと思われます。
 取り急ぎ一報でした(MK)

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